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医師・病院の選び方

病気を治すのは、医師の能力だけではなく、「医師を見る目」を持った患者の能力にも影響します。極端な話、医師も人間である以上、ピンからキリまで存在します。それを見抜けないと病気は治りません。病気を治す責任は患者自身にもあることをお忘れなく。

医師の種類

かかりつけ医の選び方

信頼感

人間同士なので、その医師に会った時に、「あ、いい人間関係が築けるな」とか「信用できるなあぁ」とかの印象はとても重要です。
またその医師にかかった時、顔と名前が一致して覚えていてくれているかどうか。親近感というばかりではなく、その人の今までの病気の経験(=病歴)をそれを把握しているということにつながります。
患者の病歴は、かかりつけ医にとってとても重要なものです。名前を覚えてくれるということは、以前かかった時の様子や病名を覚えていることにつながり、能力が高い医師だと言えます。

技術力

かかりつけ医の技術というのは、大きく2つあって、患者さんとやり取りをする「問診」、脈を取ったり聴診器を使ったりする「身体診察」とに分かれています。

問診は、YES・NOで答えられる質問しかしないかどうかです。例えば「お腹痛いの?」「下痢はある?」「吐き気もするでしょ?」など、「はい」「いいえ」で答えられるこうした質問の仕方は、実はお医者さんの中に、すでに想定した診断名があってそれを確認しているだけの問診なのです。
良いお医者さんは、正しい診断を求めて、答えに幅がでる質問をします。
「いつから、どこがどんな風に痛いんですか?」など、答えに制限のない質問をいう傾向にあります。
身体診察力のチェックポイントは、診断を下すのが変に早くないか?です。
聴診器をちょっと当てただけで、脈もとらず喉ものぞかず、「風邪ですね、風邪だ」と診断を下されてしまったら、思い込みを押し付けられる悪い医者の可能性が高いのです。他にも、「年のせいですよ」とか「ストレスじゃないですか」など、こうした言葉を連発する医師は、かなり要注意医師です。

紹介力

かかりつけ医の重要な役割は、実は医療の水先案内人ということなのです。
患者さんが必要な時に、どの科でどういう診療をすればいいのかということを適切に案内してあげる、これを紹介といい、かかりつけ医の能力の差がはっきりと出てきます。

紹介を決してためらわず、しかもその際「これこれの恐れがあるので・・・」とか、「これこれの検査が必要なので・・・」と紹介の理由を説明してくれるのが、良いお医者さんです。一方、紹介をしたがらず自分で抱え込もうとする医師や、「ここじゃわからないから」「手に負えないから」などと、はっきりとした理由もなく紹介に回そうとする医師は、どちらもダメな医師です。

チェックする良いチャンスは、住民検診や予防接種の時などです。
例えば、予防接種に行って、ただ注射だけポンと打つだけのお医者さんはあまりよくないでしょう。 予防接種の時にも、ちゃんと話を聞いてくれるかどうか、風邪をひくとどんな症状になるのか、など話をしてくれるお医者さんかどうか、チェックすることができます。

専門医の選び方

今までは、不幸にして重たい病気にかかった場合、「検査を受け入院して手術」という一連の流れで、ひとつの病院で行われてきました。しかし、時代はそうではなくなってきています。

専門医での医療の流れ
     検査→診断(→入院→手術)       

調査する

まず、診断されたその病気について、基本的な情報を調べます。
本やインターネットなどを使って調べ、情報が積み重なっていくことによって、自分の病気のことを客観的にみることができます。どういう医療を自分は受けたいのか、だんだんイメージがわいてきます。
ちなみに、病気を知るのにかなり役立つ本は、看護師向けにつくられた本です。 一般の本より詳しく、医学書よりもわかりやすくて情報が新しいのです。少し大きめの本屋さんなら、置いてあるでしょう。

同時に、病院・医者についても調べましょう。 ランキング本など、その情報をどう自分で読み取るか、有名病院の名前などブランドを調べるのではなく、実際の実力を読み解かなければいけません。

重要なのは、症例数や手術数です。 結局、医者の実力は経験数です。どのくらいの患者さんを診たか、どのくらい患者さんの手術をしたかです。
例えば、ある病院では10件、ある病院では300件やっているとしたら、差は歴然です。
最近では、ガンを中心に、病期別生存率・5年生存率といったデータも公開する病院も増えてきました。 これは、とても大きな判断材料になります。

その病院のホームページをみると、その病院の患者さんに対する姿勢がはっきりとわかります。 例えば、生存率や症例数がわかりやすく公開されていたり、問い合わせ用のメールコーナーがあるなど、患者に対して親切なホームページを作っている病院は、実際の医療でも患者中心に考えてくれるとみてよいでしょう。

ちなみに、インターネットには、ある病気を経験した患者さんたちで作った「患者会」と呼ばれる団体のサイトもたくさんあります。こういったところにアクセスすると、自分の病気の治療情報や、なにより良いお医者さん情報が生の声で聞けてとても役に立ちます。

診察を受けてみる

どんなに有名な先生でも、自分で会って自分の目でそのお医者さんのことを確かめましょう。 対等な立場で話してくれるかどうかです。
患者の苦しみを理解しようとする医者だったら、患者さんの目を見て話します。また、自信のあるお医者さんも、患者さんの目を見て話します。

例えば、カルテを書きながら質問したりする医者は、患者さんを人として見ていなく、単なる一症例として見ているので、そういう医者はやめた方がいいでしょう。
次のチェックポイントは、わかりやすい説明をしてくれるかどうかです。
説明がわかりにくいのは、説明しているお医者さんもよく理解していないか、患者さんに説明しても意味がないや、どうせ説明してもわからないんだからという、つまり説明する気がないということです。 説明できないお医者さんはダメでしょう。

さらに、その医師個人の症例数を直接聞くのがいいでしょう。
例えば、心臓のバイパス手術だったら、「先生は、今までにバイパス手術を何度やりましたか?」そして、「その成功率はだいたい何%でしたか?」と具体的にズバリ聞きましょう。病院全体ではなく、その先生の症例数は、直接先生に聞くしかありません。

自信のある、または誠意をもって患者さんに対応しようと思っている先生であれば、すぐにこころよく答えてくれるでしょう。 それが言えないということは、あらかじめ自分が標準よりも劣っているということを自覚しているお医者さんです。 「ムッ」とする人であれば、それは全然ダメです。


通院・入院して決める

治療方針は、医者によって違うことがあります。ですから、そういった治療方針に少しでも不安、あるいは納得がいかない点があるということであれば、セカンド・オピニオンに聞いてみましょう。

[セカンド・オピニオン]
現在かかっている主治医以外の医師に治療について意見を求めること。

その際には、カルテやレントゲンのコピーを下さいと主治医に申し出ることになります。なんだか言い出しにくい・・という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、レントゲンや色々な数値などの記録は、一体誰のものでしょうか?これは、基本的には本来患者さんのものです。
患者さんがお金を払って医療を受けているのですから、それをセカンド・オピニオンということで、よそのお医者さんに見せると言う事に関して、何の問題も生じないはずです。もし、それを嫌がるお医者さんがいるとしたら、自分の今までしてきた医療に関して全然自信がない、他のお医者さんに見られるのが困ることになります。

そして、入院してこそ手に入れやすくなる、とっておきのお医者さん情報・・・それは看護師さんに聞くことです。 ぜひ、看護師さんとは、仲良くコミュニケーションをしましょう。看護師さんは、お医者さんの実力、裏の姿をよーく知っています。 看護師さんと仲良くして味方にすると、これで色々な有益な情報が入ってきます。

治療方法は、この病気にはこれと決まってはいません。 ですから、自分でいやだなと感じた治療法の場合は、セカンド・オピニオンを申し出た方がよいでしょう。 もし、センカンド・オピニオン先でも、同じ治療法で、最初のお医者さんに戻った場合、普通の医師なら自分が評価されたので「うれしい」と思うはずです。

 

病院へはデジカメを持っていこう

どのように使うかというと、デジカメに自分のレントゲン写真、CT画像などを記録させてもらいます。200万画素ある平均的なデジタルカメラなら、医師の診断も十分可能なレベルで撮影できます。

そこで不安なのが「デジタルカメラで撮らせくれ」なんていったら、医者は嫌がらないのか?そもそも、レントゲンフィルムやCTスキャン画像は、患者さん自身のものです。そういう意識を持った医者であれば、絶対に嫌がらないはずです。

法律的には、まだカルテ・レントゲンは病院のものです。もしかしたら、現実的には「ダメ」とおっしゃるお医者さんもいるかもしれません。 しかし、2005年4月から個人情報保護法が施行されると、大きな病院は患者さんが求めたらカルテを見せなければいけないんです。時代はどんどん動いています。

自分のことを伝える